時々、黄昏時に事務所の窓ガラスが茜色に急に染まり始める時がある。
そんなときは、慌てて外に出て西空を仰いでみる。
昨日もそんな夕方だった。
空の雲も、ちょっと見てるだけでは変化が分からないけど、片時も止まらずに形を変え、消えて無くなったり再び現れたりする。
青かった空も時とともに朱く染まって茜色に変わっていく。
そんな空を眺めると、無常感がひしひしと感じられる年頃になってしまった。
般若心経の色即是空・・・この世にあるものは全て形を持つが、それは仮の姿であって、その本質は空である。
私だって、53年前はこの世に人間として存在していなかった。何かしらの分子が集まって形作られて、別に自分の意思とは関係なく母親のお腹から泣きながら生まれてきたわけだ。
そして、遠くない将来に確実に死んで、この世から私という形は消えていく。
火葬されれば、私は灰と水になって。。。再び自然界の大いなる循環の中に入っていくという次第だね。