乗鞍のお客様が来て、ストーブを治してほしいと来た。
ネットオークションで買ったストーブとのことで・・・(何かしら不調だから出品したんだろうに)と言いたくなった私。!!
いくらストーブを付けてても部屋の温度が上がらず、エラーコードE-03/02も出たと!!!
引き取って、不調の再現をしてみる。
普通に点火して、特に不具合は無いように見えたけれど、温度設定をHiにしても送風温度が上がらないように思え、炎確認窓から見た炎の色が青くなくて黄色に近い赤色のような色をしていて、これでは温度も上がらないわけだ。
エラーコードも合わせて考えられるのは、燃料がまともに出てないということ。
まずは、取説通りにエラーコードE-03/02の対処として、給油口フィルターと油受け皿の清掃。
給油口フィルターは汚れてはいたけれど、トラブルに直結するようには見えなかったが洗剤で洗って良く乾燥。受け皿にも少し水か有ったけど大したことは無かった。
そうなると、あとは燃料ポンプのフィルターの詰りか・・気化器の内部の汚れなどが考えられる。
取りあえず、フロントカバーを外してみる。
(+_+)・・・かなり汚れてる。綿のような毛のようなものがあちこちにかなりある。
まずは、こちらを取り除かないとね。
簡単に外せそうなものは外して掃除をしました。
いったい、どんな所で使ってるの??と聞きたくなります。^^;
今回の不調とは関係ないけど、加熱プレートやフレームロッドもペーパーヤスリで磨きます。
ポンプを外してみたけれど、ポンプのフィルターは綺麗な物だし、作動音も良好でした。
そうなると、今までの経験から気化器が怪しくなってきます。
気化器フッセンブリーを外してみます。ダイニチのこのタイプはポンプも気化器も前に有って比較的外しやすいですね。
気化器の分解はマニュアルには出ていない。不調の場合は交換となって、部品だけで7000円位するだろう。
分解は比較的容易だけれど、部品が細かいので無くならないように取りはずしはゆっくりとね。
リターン側のネジ付キャップはOリングがはまっていて引き抜くだけ。プランジャーはスプリングと一緒で細かいので要注意。ニードル本体は出にくい時があるけれど、そういう時はキャブクリーナーを噴霧してしばらく放置してパーツクリーナーで洗い流して、クレCRCのような潤滑剤を流し込んでから、トントンと本体をたたくと出てきますが、今回はトントンするだけで出てきた。
案の定、ニードルはカーボンなどで汚れて固着してた。
これでは、まともに燃料も噴射できず、燃料そのものも出ないだろうと推測できる。
真鍮ブラシとサンドペーパーである程度清掃してから、しばらくニードルの部分をギャブクリーナーをかけて放置。
再び、真鍮ブラシとペーパーヤスリでカーボンを落として、そこそこ綺麗にした。
ネットを見ると、コンロの火でカーボンを焼くなどというのが有ったけれど、ノズルが細く変形する危険があるので勧めない。
ニードルを入れるノズルパイプは汚れてはいない感じだったけど、やはりキャブクリーナーを入れて放置したあと、パーツクリーナーで掃除をし、ノズル穴は荷札の針金φ0.28mmを差し込んで掃除をした。
清掃前にノズル穴をルーペで見たときは、明らかにカーボンなどが付着していたようだけど、清掃後は丸く綺麗な穴になっていた。
気化器を取り付けて、フロントカバー以外のパーツを取り付けて、スイッチオン!!!
綺麗な青色の炎が上がり、送風口からの温風も明らかに熱くて勢いも良くなった。
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自動車整備士/フロントマン時代・・整備のテクニックを教えてもらった先生にも言われたけれど、整備・修理の70%は清掃なんだと!!!
自動車に比べたら、ストーブのトラブルは比較的簡単ではあるけれど、同じことが言えそうです。
このタイプのダイニチのストーブは、比較的点火時間も短くて点火・消火時の臭いも少ないので良いけれど、シーズンオフになったら気化器の掃除をした方が、長くトラブルフリーで使えそうですね。
ズクがいるけど!!