西日の射す頃、廃棄同然の物干しざおに赤とんぼがとまっていました、見れば、何匹も飛んではとまる。
私の左手にもとまった。西日を背にして、残り少ない命に太陽のエネルギーを一生懸命補充してるように見えた。
何枚も携帯で写真を撮ったけれど、なかなか良いアングルで撮れない。でも、私がここの住人で、トンボに危害を加えないと知っているかのように、10センチ以下にカメラを近づけても逃げない。
こんな大人しそうなトンボも、小さな昆虫を餌にしている肉食なのだ。そのトンボも蜘蛛の餌になったり鳥に食われたりして命を落とす。生き残ったトンボも、秋も深まり冬が近づく朝・・朝露に羽を濡らして、霜に凍えて死んでいく運命だな。どの世界も無常なんだ。そう思うと、この景色の中のトンボも愛しいものに見えてきた。